◉漫画で学ぶ「哲学」!身近な「なぜ?」が考える力を育てる

「哲学」と聞くと、なんだか難しそう……。

専門的な知識が必要だったり、難しい言葉を使って考えたりするもの。そんなイメージを持っていませんか?

でも、哲学は決して遠い世界のものではありません。

「どうしてだろう?」
「ほかの方法はないかな?」
「当たり前だと思っていたけれど、本当にそうなのかな?」

こうした日常の小さな疑問こそ、哲学の入り口です。

身近な出来事について、いつもとは少し違う角度から考えてみる。すると、今まで気づかなかった考え方や、新しい発見に出会うことがあります。

今回は、漫画をきっかけに、楽しみながら「考える力」を育てる方法をご紹介します。

2つの質問に挑戦してみよう!

突然ですが、次の2つの質問について考えてみてください。

Q1. エレベーターで、一番先に降りたいとき、どうしていますか?

Q2. プッチンプリンのカラメルを上に乗せたいとき、どうしていますか?

一見、まったく関係のない2つの質問ですね。

エレベーターとプリン。どちらも、普段の生活でよく目にするものです。

でも、実はこの2つには、共通する考え方が隠されています。

それは……「逆算」です!

ゴールから考える「逆算」という方法

逆算とは、最初に「こうなりたい」という結果を思い描き、そこから逆向きに、何をすればよいのかを考える方法です。

たとえば、エレベーターで一番先に降りたいとき。

普通は、乗っている人の後ろに並び、順番に降りることを考えます。

でも、「一番先に降りるにはどうしたらいい?」とゴールから考えてみると、乗る位置や立つ場所を工夫するという発想が生まれます。

プッチンプリンも同じです。

カラメルを上にしたいなら、どうすればよいでしょう?

プリンをお皿に出すとき、容器をひっくり返しますよね。

つまり、「カラメルを上にする」という結果から考えることで、普段とは反対の動きに気づくのです。

このように、目の前のことを順番に考えるだけでなく、ゴールから考えてみると、思いもよらない方法が見えてくることがあります。

大切なのは、すぐに正解を出すことではありません。

「どうすればできるかな?」と、自分なりに考えてみることです。

「なぜ?」を考えることが、哲学の入り口

哲学は、特別な知識がなければできないものではありません。

身近な出来事に疑問を持ち、自分なりに考えてみることから始まります。

たとえば、

「どうして、みんなと同じことをしなければいけないの?」
「失敗することは、本当に悪いことなの?」
「便利になることは、いつもよいことなの?」

こうした問いには、ひとつの正解があるとは限りません。

人によって考え方が違い、理由もさまざまです。

だからこそ、自分の考えを持ち、相手の考えを聞き、「なるほど、そんな見方もあるんだ」と気づくことが大切なのです。

漫画には、登場人物の行動や会話を通して、こうした疑問に出会える場面がたくさんあります。

「この人は、どうしてこんなことをしたのだろう?」
「自分だったら、どうするかな?」

物語を楽しみながら考えることで、哲学をぐっと身近に感じられるようになります。

考える力は、国語の力につながる

では、こうした「考える経験」は、国語の学習とどのようにつながるのでしょうか。

国語の読解では、文章に書かれている言葉を理解するだけでなく、登場人物の気持ちや筆者の考えを読み取ることが求められます。

そのためには、

「なぜ、この人はそうしたのだろう?」
「文章のどこから、そう考えたの?」
「自分なら、どう感じるだろう?」

と、問いを持ちながら読むことが大切です。

そして、考えたことを自分の言葉で表現する。

「こう思いました」で終わるのではなく、「なぜなら、こういう理由があるからです」と説明できるようになると、記述問題や作文にもつながっていきます。

考えること、理由を見つけること、言葉にすること。

この3つは、国語の力を育てるうえで深く結びついています。

ご家庭でもできる「考える時間」

考える力を育てるために、特別な教材を用意する必要はありません。

日常のちょっとした場面で、お子さんに問いかけてみてください。

「どうしてだと思う?」
「ほかには、どんな方法があるかな?」
「もし反対だったら、どうなると思う?」

たとえば、買い物をしているとき、料理をしているとき、テレビや漫画を見ているとき。

身近な出来事をきっかけに、親子で考えてみるだけで十分です。

すぐに答えが出なくても大丈夫。

大人が正解を教えるのではなく、子どもの考えを聞き、「そう考えたんだね」「面白い見方だね」と受け止めることが、次の疑問や発想につながります。

漫画から広がる、考える楽しさ

漫画は、子どもたちにとって親しみやすく、自然に興味を持てる入り口です。

難しい言葉を覚えることから始めなくても、登場人物の行動に疑問を持ったり、身近な出来事と結びつけたりすることで、考える楽しさに出会えます。

「哲学って、面白い!」
「もっと考えてみたい!」

そんな気持ちが生まれたら、それが学びの第一歩です。

「国語のいろは」が大切にしていること

「国語のいろは」では、答えを覚えるだけでなく、子どもたちが自分で考え、自分の言葉で表現することを大切にしています。

文章を正しく読む力を土台に、疑問を持ち、理由を考え、言葉にして伝える。

その積み重ねが、読解力や記述力を育てるだけでなく、「自分の考えを持っていいんだ」という自信にもつながっていきます。

著書『自己肯定感を育む「国語」〜子どもを伸ばす3つのカギ〜』でも、子どもの国語の力を伸ばすためのヒントをご紹介しています。

日常の小さな「なぜ?」を大切に。

まずは漫画から、親子で哲学を楽しんでみませんか?